大阪府警 全署で事件数を過少報告 計8万件超

大阪府内のすべての警察署が、発生した事件の件数を実際よりも少なく報告していたことが、大阪府警察本部の調査で分かりました。

報告されなかった事件はおととしまでの5年間に8万件を超え、全国最多を脱したとされていた大阪の街頭犯罪の件数は、依然として全国最多だったことになります。

大阪府警察本部は、堺警察署が窃盗事件などの件数を、実際より少なく本部に報告していた問題を受け、おととしまでの5年間について府内の警察署を対象に調査を行いました。

その結果、すべての警察署が事件の件数を実際より少なく報告し、合わせて8万1307件に上ることが分かりました。

報告されなかった事件は、自転車の盗難や車上狙いなどが多く、被害届を受理したあとに盗難品が見つかったケースや、正式に被害届が出されなかったケースなどだということです。

過少な報告は、警察が、街頭犯罪を防ぐ対策に本格的に乗り出した平成20年ごろから、統計上の数字を減らすめに、現場の判断で行われていたということです。

大阪での街頭犯罪の件数は、平成22年以降は東京を下回り、全国最悪を脱したとされていましたが、今回明らかになった分を加えると実際には、全国で最も多いままだったことになります。

大阪府警は、当時の刑事総務課長や警察署長など89人を本部長注意などの処分にしました。

大阪府警察本部刑事総務課の安井正英課長は「統計の信頼性を裏切る行為で遺憾だ。指導を徹底し、再発防止に努めたい」としています。