京都に初夏の訪れを告げる葵祭が15日、京都市内で始まった。みやびな宮廷装束に身を包んだ約500人の行列が新緑の都大路を練り歩き、沿道を埋めた観光客ら約2万2000人(午前11時現在、京都府警発表)が華やかな王朝絵巻を楽しんだ。
世界遺産の下鴨(同市左京区)、上賀茂(北区)両神社の例祭で、京都三大祭りの一つ。約1400年前の欽明天皇の時代に風雨を鎮め、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ったのが始まりとされる。
行列は午前10時半に京都御所(上京区)を出発。両神社を巡る約8キロの行程を進んだ。
祭りのヒロイン・斎王代(さいおうだい)を務めるのは、左京区出身で東京都内在住の航空会社客室乗務員の白井優佐(ゆうさ)さん(26)で、十二単(ひとえ)姿で輿(こし)に乗り登場。フタバアオイの葉を身に着けた女官や武官、フジの花で飾った牛車(ぎっしゃ)などの行列は全長約700メートルに及んだ。【岡崎英遠】